日系アメリカ文学研究において第二次大戦と強制収容がもっとも重要なテーマであることは、戦後に書かれた日系作家による様々な作品により了解されている。しかし、戦時下においても日系作家が収容所で文芸誌を発行し、創作活動を続けていたが、これらの創作活動に関しての研究は十分に進められてこなかった。そこで、本研究においては、まず、マイクロフィルム化された収容所内の新聞や英語文芸誌、および日系新聞を整理し、戦争が二世作家に与えた影響を検討した。その際に、必要なマイクロフィルムリーダーを購入し、資料の検討を進めることができた。各収容所において発行された日系新聞は、アメリカのResearch Center Libraryにマイクロフィルム化を依頼したり、実際にアメリカの大学図書館に出張をして、資料の収集にあたった。また、文芸誌については、平成14年4月から9月にかけての在外研修期間中に、日系移民に関する貴重な資料を保存しているスタンフォード大学のフーバー研究所や図書館において、直接、読み検討することができた。これらの成果の一部を報告書としてまとめるとともに、現在、資料の整理をしながら本にまとめるための準備を進めている。
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