研究概要 |
1.基本写本B.15.17の転写テキスト(transcription text)の作成 William LanglandのPiers Plowman:The B-Textの基本写本であるCambridge,Trinity College MS B.15.17の大型ネガをTrinity College Libraryより取り寄せて現像し、カラー・ファクシミリを作成した。このテキストはLanglandの言語を伝える貴重な資料となるので、今後のLangland研究に大きな役割を果たすことが期待できる。さらに、Kane-Donaldsonの校訂本とSchmidtの校訂本を利用して基本写本B.15.17の転写テキストを完成した。(校訂本の言語は、編者による加筆・修正が大きく加えられているので、単一の言語資料として認められないが、写本はLanglandとその写字生の言語・文体を直接反映している。) 2.Textual Notesの作成 A.V.C.Schmidtの校訂本であるThe Vision of Piers Plowman:The B-Textと基本写本B.15.17を対比して両者の異動を調査し、テキストの異同リストを作成した。 3.電子化テキストの作成 B.15.17の電子化テキストを作成し、この写本独自の綴り・語彙・語順を抽出することを可能にした。このファイルを基礎にして次年度のPiers Plowman:The B-Textの基本写本における頭韻様態の研究に繋げる予定である。
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