研究概要 |
研究代表者・中島および分担者古賀・藤木は各々の時代区分および専門分野の領域における下記の研究を行なった。 中島はモダニズムおよびポストモダニズムを基盤とするカナダ文学・文化の様相に焦点を当て、特に本年度は現代カナダ作家として最も注目されているマーガレット・アトウッド(Margaret Atwood,1939-)の作品について文学技法、作品構造を軸に分析、またその短編集Murder in the Dark (1983)について翻訳作業を進めている。2002年3月21日より28日まで在外研究としてトロント大学に滞在し、完成に向けての研究調査をすると共に、トロント大学教授であるDr.Sam Soleckiとインタビューを行いCanadian Studiesおよび「カナダにおける英米文学研究」をテーマにモダニズム・ポストモダニズム・メタフィクションについて情報を入手するとともに翻訳と分析のための助言を得た。本年度の成果として、マーガレット・アトウッド:『素材』-A translation of Raw Materialsを発表した((1)(2))。古賀は北米における現代文化・言語詩について研究し、第45回日本アメリカ文学会関西支部大会フォーラムにおいて研究発表を行い「ポストモダニズムの終焉と詩的表現」と題して現代英米詩、特に言語詩について紹介し分析するとともに、トロント大学教授のLinda Hutchoen著:『アイロニーのエッジ』(Irony's Edge-The theory and politics of irony,1994)の翻訳作業を進めている((3)(4))。藤木はトロント大学・中世センターの資料を基に、日本中世英語英文学会において「Troilus and Criseydeにおける夜と夜明け」を発表し、主旨を『言語文化研究』第7号にまとめた((5)(6))。 なお、現在Margaret Atwood : Murder in the DarkとLinda Hutchoen : Irony's Edgeの出版計画について作業を進めている。
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