研究概要 |
<平成14年度研究実績の概要> 研究代表者、中島と分担者である古賀は、これまでの2回に渡る在外研究、調査による資料を基に、各々の専門領域であるモダニズム、前衛芸術、メタフィクション、言語詩、現代文化論を軸とし、カナダ作家のマーガレット・アトウッド(Margaret Atwood,1939-)の短編小説集であるMurder in the Dark(1983)、およびトロント大学教授リンダ・ハッチオン(Linda Hutcheon)の文化論、Irony's Edge-the theory and politics of irony-の翻訳を完了した。中島はマーガレット・アトウッドの中期の短編集に見られるアトウッドの視点に、カナダ文学の特質とアトウッドの文学的テクニックの解読を試みた。古賀は、米国近代語協会(MLA)の会長でもあったハッチオン教授が注目したアイロニーという表現形式を通して論じた社会的政治的切り口としてのテキスト解釈および文化現象に及ぶアイロニー理論を翻訳し、現代カナダの文学文化論的嗜好の動向を探った。3年計画で行なわれた本研究計画は英米の3大学における5名の研究者たちとのインタビュー、研究資料調査、演劇研究家、M.アトウッド氏、L.ハッチオン教授との会見という現地における多くの機会のもとに研究基盤を形成し、研究成果のまとめとして2冊の翻訳書を出版するに至った。 代表者・中島はMargaret Atwood, Murder in the Darkの翻訳を完了し、出版した。((1)) 分担者・古賀はLinda Hutchoen :,Irony's Edgesの翻訳を完了し、出版作業中である。((2))
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