研究概要 |
Jacques Dupinの特異なecriture-corpsの世界生成のありようを明らかにすることを目的に、Pierre=Jean Jouve, Jacques Roubaudの作品と対比させながら、DupinのDe nul lieu et du Japonの世界を目指した。すなわち、 P.=J.Jouve : Sueur de sang (1935) J.Roubaud :ε (1967) J.Dupin : De nul lieu et du Japon (1981) のそれぞれの詩人の詩世界を追うことで、人称性の後退、匿名性の増大、言葉の統辞・連辞性の希薄化、詩空間の余白化・身体化、等を跡づけ、フランス20世紀詩の到達点のひとつの象徴ともいえるDupinの上記詩集の輪郭を明らかにせんとした。その上で、ランボー以来の"on"のポエジーへの動きの全体を描き出そうとしたが、残念ながら現時点で最終報告をまとめるに到っていない。できるだけ早い時期に、当該報告を提示する予定である。
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