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2000 年度 実績報告書

フランス・モダニズム研究-ダダ・シュルレアリスムの周辺

研究課題

研究課題/領域番号 12610527
研究機関早稲田大学

研究代表者

谷 昌親  早稲田大学, 法学部, 教授 (90197517)

キーワードモダニズム / ダダ / シュルレアリスム / エキゾティシズム / レーモン・ルーセル / ミシェル・レリス / アルチュール・クラヴァン
研究概要

本研究を構成する5つの柱に則して、今年度の成果を以下にまとめる。
1.レーモン・ルーセル研究-ルーセルの『新アフリカの印象』は、括弧を何重にも使ったその形式が注目されがだが、むしろテーマの面から、たとえば彼のおこなった旅行との関係などの解明を試みつつある。そのことによって、現実を拒否した作家とみなされがちのルーセルの新たな一面が見えてくるはずである。
2.アルチュール・クラヴァン研究-本年度は、とりわけスペイン時代、アメリカ時代のクラヴァンについて調べ、ようやく彼の活動の全貌が明らかになりつつあるが、同時に、1910年代後半にパリ、バルセロナ、ニューヨークの各地で展開されたモダニズム運動間の関係も明確になってきた。
3.ミシェル・レリス研究-レリスはモダニズムにこだわりつづけた作家であるが、その彼が一方で民族学にも携わっていたことを思い出すなら、そこにはエキゾティシズムの問題が横たわっていることがおのずと明らかになってくる。モダニズムとエキゾティシズムという新たな問題系が呈示されたといえよう。
4.ダダ・シュルレアリスム研究-日常生活において無用なものとして棄てられた廃物を新たな意味の網目のなかに拾いあげるという観点から眺めるとき、ベンヤミンとシュルレアリスムの類似点が見えてくる。そこにも、モダニズムとエキゾティシズム、つまり「新しさ」と「距離」の問題が潜んでいる。
5.20世紀文化・社会・思想研究-すでに述べてきたように、われわれたの問題意識のなかでエキゾティシズムが重要になってきているが、これは20世紀の文化・社会・思想を考える上でも大切なテーマであり、たとえばクレオールや複数文化の問題などと関連づける必要があろう。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 谷昌親: "廃虚の探偵-ベンヤミン、ボードレール、アジェ"人文論集. 第39号. 101-124 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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