研究課題/領域番号 |
12610531
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
重藤 実 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (80126078)
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研究分担者 |
藤縄 康弘 愛媛大学, 法文学部, 講師 (60253291)
清野 智昭 千葉大学, 外国語センター, 助教授 (10226623)
幸田 薫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30126776)
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キーワード | 文法カテゴリー / 伝統文法 / 言語類型論 / ドイツ語史 |
研究概要 |
伝統的なドイツ語文法記述で使われているカテゴリーを整理してみると、予想通り、ラテン語文法記述の枠組みを模範としてドイツ語に当てはめたものが多いことが明らかになった。このような枠組みは、特に分類基準が整理されていない点が問題である。 ラテン語文法記述に基づくカテゴリーをドイツ語にあてはめることは、さまざまな言語を比較するという視点からは有利な面もあるが、ドイツ語の独自性をとらえるという視点からは、不利な面があると考えられる。 現代の言語類型論で用いられるカテゴリーも、異なる特徴を持つさまざまな言語に当てはめるためには、かなり強引な操作が必要とされる場合がある。しかし言語の比較のためには、そのような操作も避けられない面がある。伝統的なドイツ語文法記述におけるカテゴリーも、現代の言語類型論におけるカテゴリーも、その有効性と限界を意識しながら使うことが必要であるということが明らかになった。 ドイツ語文法書における文法記述の用例分析を進めている。そこでは、ドイツ語記述におけるカテゴリー観の変遷が見られるだけでなく、ドイツ語のカテゴリー自身の性質も、時代とともに変化している点があることがわかる。ドイツ語自身の変化と、文法記述におけるカテゴリー観の変遷との相関関係を明らかにするのが、13年度の課題である。また認知言語学や生成文法におけるカテゴリー観の検討も進めている。
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