研究概要 |
最終年度において、枡田は歴史的推移の観点から、小川は類型論的位置付けから、格体系全体における変遷と相違をつかさどるパラメータの導出を推進した。本年度新たに購入した通時言語学書籍、言語類型論書籍、さらにはパーソナル・コンピューターを活用して、当該言語データの収集・整理・分類を行なうと共に、言語学的考察を加えた。それらの成果をまとめ、国内出張において関係諸氏と議論を重ねた(一橋大学、筑波大学)。それに加えて、枡田がベルリン、ハンブルク、ウィーン出張(在外研究員等旅費)、小川がソウルでの国際学会(韓国独文学会招待、日本独文学会派遣)またハンブルク大学アジア・アフリカ研究所客員教授の際、当該成果を関係諸氏と議論する機会をもった(Ekkerhard Koenig, Jochen Rehbein, Peter Siemund, Beatrice Primus, Minghaeng Leeの諸氏)。そのなかには、ハンブルク大学ドイツ語学文学研究所およびベルリン自由大学英語学研究所での招待講演も含まれる。以上の研究・議論の実績として下記の諸論文を刊行した。具体的な内容は、枡田がドイツ語の格と構文の関係を歴史的および類型的観点からまとめた。また小川は、ドイツ語を中心としたヨーロッパ諸語と日本語を中心としたアジア諸語における諸格、諸構文の実証的データの分析を進め、特に与格構文、属格構文、使役構文、非人称構文を中心に考察した。
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