研究課題/領域番号 |
12610537
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
原 研二 東京都立大学, 人文学部, 教授 (50115622)
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研究分担者 |
高本 教之 東京都立大学, 人文学部, 助手 (40315742)
黒子 康弘 東京都立大学, 人文学部, 助手 (50305398)
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キーワード | ワーグナー / 図像 / ワールブルク学派 / バロック / ヴィジュアル詩 |
研究概要 |
ルネサンス以降の観念の図像化という視点を引き続き精査した。特に本年度は、2001年度ワーグナー協会7月例会にて図版資料を映写しつつ発表したように、1800年前後の光学劇場ディオラマなどの図版から始まって、バイロイト祝祭劇場の構造に至る線上で、ワーグナーの総合芸術作品の光学性を説明した。またこれを小手調べに、ゲルマン風景の発明者フリードリヒと擬古典主義者として古代を再現しようとしたシンケルを中心に、図像の意味だけでなく、この時代の重要なキー・ポイントとして光学的な質的変動を描いてみる準備を整えた。またファシズムの様式の一環としてどのように群集が表現化されたかを、プッチーニ論で論じた。そこでは、ワールブルク学派風の図像研究に始まって、最後には寓意解釈から一歩出て、オペラととその舞台そのものが舞台外の群集をあらかじめ計算しているして成り立つものであることを指摘してある。それは視覚がワーグナーのときと同じような光学的変性を遂げていることによるものである。そこではムッソリーニの活動、およびファシストのポスターと建築デザインをプッチーニの舞台図に併置して比較検討されている。さらに、1600年代のFigurengedichteが圧倒的な開花をみる現象から、バロックの文芸協会に至るころを中心に、古代から現代のデジタルなヴィジュアル詩に至る図像詩の資料を収集しつつある。
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