研究概要 |
ロシア・ソヴィエト言語類型論に関して各研究者は,以下の研究を行った.1.は両研究者が共同で研究したテーマであり,2.と3.は各研究者が個別で研究したテーマである. 1.柳沢民雄と石田修一:ロシア・ソヴィエト類型論に関する文献資料を用いて(主としてメツシャニーノフ,カツネリソン,グフマン,クリモフ,デスニツカヤ,ステパーノフ,ガムクレリゼ,イヴァーノフ),ロシア・ソヴィエトの内容的類型理論を更に精緻なものにした.特にデスニツカヤとステパーノフの印欧語統語論の研究に関しては詳細に検討し,ガムクレリゼとイヴァーノフらの統語理論との違いを明らかにした.またこのロシア・ソヴィエト類型論と欧米の言語類型論を比較検討し,内容的類型論の再構築の作業を行った. 2.柳沢民雄:北西カフカース諸語に属するアブハズ語の資料収集のためにフィールド調査を行い,アブハズ語の形態構造(特に動詞述語の形態構造)を記述,分析した. 3.石田修一:現在所有するロシア・ソヴィエト類型論に関する文献以外に,19世紀を含めた新たなロシア・ソヴィエト時代の文献資料を用いて内容的類型論の発生と発展の歴史を跡付け,ロシア・ソヴィエト時代における内容的類型論の独自の発達を言語学史の中で解明した.
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