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2002 年度 実績報告書

フィンランド語の文法機能を表示する格に関するコーパスを用いた実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 12610555
研究機関名古屋大学

研究代表者

佐久間 淳一  名古屋大学, 文学研究科, 助教授 (60260585)

キーワードフィンランド語 / 格表示 / 文法機能 / コーパス
研究概要

本研究は三年計画であり、今年度は最終年度に当たる。今年度は、過去2年間の研究成果と言語コーパスから収集したデータを踏まえ、フィンランド語で文法機能を表示している格のふるまいを統一的に説明できる枠組みを提示することを目指した。この枠組みは、フィンランド語に関わる事実を説明できるだけでなく、言語一般の理解にも何らかの形で貢献できるようなものでなければならない。フィンランド語には、それぞれの文法機能を表示する格が複数あり、その分布は、統語的条件とともに意味的条件によっても規定されている。したがって、フィンランド語の格表示を説明する枠組みは、問題となる項および構文の意味的な特性を十分考慮した上で考える必要がある。意味的な特性を考慮するにあたり、意味役割を欠かすことはできないが、意味役割は、いったいいくつ設定すればいいのか、それ自体答えることが難しい。しかし、だからと言って、意味役割なしでは言語理論は成り立たず、個数はともかく意味役割が存在し、それらの意味役割の間になんらかの階層関係が成り立っていることは確実である。今、Van ValinらのRole and Reference Grammarにならって、それらの意味役割のうち、Agent側の意味役割をActor、Patient側の意味役割をUndergoerと呼ぶとすると、フィンランド語では、Actorである主語は主格で、Undergoerである目的語は属格ないし分路で表示され、属格はUndergoerしか表示できないが、主格および分格は、それぞれActor, Undergoerだけでなく、中核的な項のうちActorでもUndergoerでもない項をも表示できると考えれば、フィンランド語の格表示に関わる現象を統一的に説明できることがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 佐久間, 淳一: "Non-lexical Case Assignment in the Finnish Language."名古屋大学文学部研究論集. 145. 1-11 (2003)

  • [文献書誌] 佐久間, 淳一: "Semantic Macroroles and Case Marking in the Finnish Language"名古屋大学言語学論集. 18(印刷中).

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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