• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 研究成果報告書概要

遺伝医学・遺伝相談に関する倫理的・法的諸問題の比較法的研究

研究課題

研究課題/領域番号 12620004
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 基礎法学
研究機関神戸大学

研究代表者

丸山 英二  神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10030636)

研究期間 (年度) 2000 – 2002
キーワード遺伝子解析研究 / 遺伝情報 / 遺伝子検査 / wrongful birth訴訟 / インフォームド・コンセント
研究概要

本研究では,(1)遺伝子診断・検査,(2)遺伝子解析研究,(3)遺伝相談をめぐる倫理的・法的諸問題を,アメリカ合衆国での対応と,医学研究の倫理的・法的諸問題についての近時のわが国の動きを踏まえて検討した。
(1)に関しては,遺伝情報の個別性,予測性,不変性,家系内共有性といった特質を踏まえ,遺伝子診断・検査から得られる医学的,心理・社会的,生殖的,研究的利益に照らして,インフォームド・コンセントの要件,守秘儀務,遺伝情報の血縁者への開示の可否,について検討した。また,遺伝情報と生命・健康保険の問題に関わるアメリカの法律を調べた。
(2)に関しては,厚生省の「遺伝子解析研究に付随する倫理問題等に対応するための指針」,及び文部科学省・経済産業省・厚生労働省の「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」などの策定に関与したこともあり,それらにおける個人情報保護,遺伝情報の開示,既存試料の研究利用などの問題に焦点を定めて遺伝子研究のあるべき姿を研究した。その関係で,個人識別情報(identifier)の除去によって匿名化ができる程度は,識別情報の特定度だけでなく,資料取扱者が持つ個人情報の量や精度,情報処理能力によっても上下することを指摘するとともに,今後,ゲノムと病態との相関研究をする際により詳細な提供者情報が必要になることに照らして,個人情報保護のための方法に一層の工夫が必要なことを強調した。
(3)に関しては,アメリカにおけるwrongful birth訴訟等において特段の変化はなかった。Wrongful life訴訟肯定州も,3州のままである。Wrongful birth訴訟を認める理由として救済の必要性があげられるが,新たな医学の可能性が過失が犯される新たな状況を生み出し,それが,裁判所で救済を認めることの社会的含意の十分な検討がないまま,新たな訴訟原因の誕生を招いていることが痛感された。

  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] 丸山 英二: "ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する最近の政府指針"ジュリスト. 1193号. 49-56 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 丸山 英二: "先端医療技術に関する最近の政府指針におけるインフォームド・コンセント"年報医事法学. 16号. 64-74 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 丸山 英二: "医学・医療における個人情報保護とインフォームド・コンセント"JACR MONOGRAPH. No.7. 5-9 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 丸山 英二: "生命倫理関係の政府指針をめぐって"Scientia. 27号. 18-20 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 丸山 英二: "わが国の医学・生命科学研究に関する政府指針"ジュリスト. 1247号. 37-48 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Eiji Maruyama: "Recent Sets of Governmental Guidelines concerning Human Genomic Research"Jurist. No. 1193. 49-56 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Eiji Maruyama: "The Requirement of Informed Consent in Recent Governmental Guidelines concerning Advanced Medical Technologies"Journal of Medical Law. No. 16. 64-74 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Eiji Maruyama: "Protection of Personal Information and Requirement of Informed Consent in Medicine"JACR Monograph. No. 7. 5-9 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Eiji Maruyama: "On Governmental Bioethics Guidelines"Scientia. No. 27. 18-20 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Eiji Maruyama: "Governmental Guidelines regarding Medical and Life Science Researches in Japan"Jurist. No. 1247. 37-48 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

URL: 

公開日: 2004-04-14  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi