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2001 年度 実績報告書

12世紀イングランドの法と裁判に関する実証的研究―アンスティー事件関連史料の再検討を中心として―

研究課題

研究課題/領域番号 12620007
研究機関九州大学

研究代表者

直江 眞一  九州大学, 大学院・法学研究院, 教授 (10164112)

キーワードアンスティー事件 / アンスティー・メモ / 国王裁判権 / 協会裁判権 / アレクサンダー三世 / ヘンリ二世 / 教皇受任裁判 / ジョン・オヴ・ソールズベリ
研究概要

本年度はまず、昨年度分析・検討した「アンスティー事件」関連の5史料を中心にして、改めて1158年の提訴から1163年の判決に到るまでの本事件の経過全体を整理する作業をおこなった。これによって、当該期のイングランドにおける世俗裁判権(国王裁判権)と教会裁判権(地方教会としてのカンタベリ大司教裁判権と上訴裁判権としてのローマ教皇の裁判権)の間での協働関係の具体的様相を明らかにすることができた。とりわけローマに上訴するためには国王の許可が不可欠であると関係当事者によって認識されていた点は、本事件の後王権(ヘンリ2世)と教会(カンタベリ大司教トマス・ベケット)の間での関係が悪化する契機となった1164年のクラレンドン法第8条における上訴許可制が(国王側の主張通り)「王国の慣習」であったことを再確認させるものである。
第二に、教皇に対する上訴とこれをうけての教皇受任裁判に関する検討からは、両当事者による主張と証拠提出の後判決の宣告以前に当事者によって上訴が行われていることも含めて、婚姻という社会の基本問題に対して最終的判断は教皇が握るという体制が法的に確立していく過程を確認することができた。
なお、近い将来、研究報告書とは別に詳細な研究成果を公けにする予定である。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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