研究概要 |
本研究をはじめるにあたって、研究の対象とした事項は,1.内閣及び内閣総理大臣の機能強化,2.内閣府による調整その他省間調整,3.政策評価の仕組み,4.独立行政法人制度の創設,5.大括り省編成のもつ諸般の意味であった。まず,4.については,山本が,「独立行政法人」(ジュリスト1161号,1999年127〜135頁)において検討したことを引き継ぎつつ,独立行政法人の行政組織上の位置付けを,主としてドイツ公法学における議論を参照しつつ,民主制原理との関係の分析を通じて明らかにした。 3.については,2000年7月19日に講師として伊藤正次氏(日本学術振興会特別研究員)を招き,自治体における政策評価の制度・運用に関する検討を行った。それを踏まえ,先進的な自治体の一つである北海道の制度ないし運用を調査するため,北海道庁を訪問し(併せて,国の地方支分部局における取組みを調査するため,北海道行政監察局を訪問した),北海道における政策評価の仕組み「時のアセスメント制度」の制度・運用事例についてヒアリングを行った。最後に,相互に関連する1.2.5.の論点についても小早川,山本,太田の各々が検討を,別欄に掲げる論稿をものにした。
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