アメリカ合衆国連邦倒産(破産)法下での倒産手続と債務者財産状態の開示について、2000年10月5日から12日までの在外研究も含めて、研究を行なった。内容は、植民地時代におけるイギリス法の登記の継受に始まり財務諸表制度の展開を経て、信用調査機関による情報開示に至る、米国の債務者の財産状態の開示の手段の変遷を明らかにした。そして、このような変遷が倒産法にどのような影響を与えたのかを明らかにするために、Strong Arm Clauseという制度と、Perfection Ruleという制度をとらえて、その生成から展開までを明らかにした。(最新の情態までを明らかにした)。 次に我国では、偶然にも、管財人の差押債権者としての地位の法理と破産法・会社更正法上の対抗要件否認の制度が、米国のPerfection RuleとStrong Arm Clauseにほとんどぴったりと合致することを明らかにした。 その上で、我国の債務者の財産状態の開示は遅れているので、現状からすれば差押債権者の法理と対抗要件否認はどのように解釈されるのが最も効果的かを明らかにした上で、今後進むべき進路を示し、倒産法改正についての提言も行なった.
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