本研究は、わが国における遺言執行者の実体法上および訴訟法上の地位について、その背景となる諸種の制度(例、相続、遺言、民事手続等)とその沿革を視野に入れかつ比較法的考察をも取り込むことにより、基礎的な研究を行うものであり、本年度の研究実績は、以下の通りである。 現代家族法研究会、松尾知子(京都産業大学)「遺言事項別・権限別にみた遺言執行-これまでの問題点の整理と課題-」同道山治延(福岡大学)「検認と相続資格-その可能性」九州家族法研究会、伊藤昌司「父あるいは母の社会階層上の地位が子に継承されている程度」等 いずれの研究会でも、研究者だけでなく家庭裁判所の裁判官や調査官等の出席を得て、有意義な指摘および示唆を賜った。 伊藤は、前年に引き続き、フランス法系の遺言制度の研究を継続し、また、英米法系の遺言制度を扱った文献等をも引照し、一定の研究成果を得た。 川嶋は、平成13年9月3日から同月12日まで、アメリカ合衆国ワシントンDCジョージタウン大学等において、アメリカ遺言法の調査研究を行った。また、京都大学図書館等への国内出張を通じて、英米遺言法の文献の収集に努めた。引き続き、諸文献の分析を行う計画である。 なお、昨年度の共同研究者の1人であった八田卓也は、昨年春から文部省の在外研究員として、ドイツ連邦共和国ケルンにて、在外研究に従事することになったため、本研究分担者から外れたが、現在も、ドイツにおける遺言制度に関する研究にも従事している。
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