研究概要 |
わが国の金融・経済犯罪対策の改革案を具体的にまとめることを目的として,研究参加者が次のように担当の研究領域について個々に研究を進めた。 瀬川晃:金融・経済犯罪の特徴や実態を犯罪学的観点から分析し,イギリスの金融・経済犯罪対策を考察する。 川崎友巳:企業の自主的な犯罪防止対策の現状を分析し,その課題を検討する。また,金融・経済犯罪対策への刑法上の対策の問題点と改善策を検討する。さらに,アメリカとドイツの金融・経済犯罪対策を考察する。 奥村正雄:金融・金融・経済犯罪対策への刑法上の対策の問題点と改善策を検討する。イギリスの金融・経済犯罪対策を考察する。 川本哲郎:金融・経済犯罪対策への刑事政策上の対策の問題点と改善策を検討する。さらに,フランスの金融・経済犯罪対策を考察する。 一方,平成12年5月より毎月研究会を開催し,研究の進捗状況を相互に報告した。最初の研究会において,立法論的な提案に踏み込む前に,解約論のレヴェルでの問題点の検討とその解決策の提示を優先的に検討することとなった。この基本方針に沿って,個々の研究にとって必要な資料の収集に着手する一方,企業の犯罪予防に向けた自主的な取組みの研究のため,企業法務部への聞き取り調査を実施してきた。現段階では,研究成果をまとまった形で公表できる段階には至っていないが,研究会では,バブル経済処理の観点から背任罪(特別背任罪)の現代的な意義が高まっているとの認識で一致しており,こうした認識をベースにして研究完成年度である次年度には,研究成果を個別に報告していきたい。
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