研究課題/領域番号 |
12620076
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三谷 博 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50114666)
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研究分担者 |
村田 雄二郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (70190923)
並木 頼寿 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (80155986)
黒住 真 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (00153411)
季 衛東 神戸大学, 法学部, 教授 (70224889)
岩月 純一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (80313162)
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キーワード | 公論 / 中国 / 世論 / 民主化 / ヴェトナム / 東アジア / 日本 / 韓国 |
研究概要 |
本年度は、3年計画の初年度のため、参加者の顔合わせと「公論」に関わる知識や問題意識のすり合わせを重点的に行った。7月23日に最初の会合を開き、日本については張寅性、朝鮮は月脚達彦、中国は季衛東が、歴史的経験を提示しつつ、問題提起を行った。ついで、10月7日に第二回会合を開き、中国について重点的に討議した。村田雄二郎が総括的な報告をしたほか、ゲストとして緒形康氏(愛知大学)を招き、現代中国に関するホットな話題を提供してもらった。12月2日には日本特集の研究会を開き、黒住真による研究史の回顧のほか、ゲストとしてキュウヒュン・キム氏(UC、Davis)を招き、自由民権運動を中心とする報告をしてもらった。この回には、他に、牧原憲夫・山田央子・関口すみ子・上田純子・東島誠らの専門家も招き、討論を深めた。 これらの研究会の成果は、研究統括者の三谷のホーム・ページに公開されている(http://ask.c.u-tokyo.ac.jp/^〜hmitani/)。発表者のレジュメと討論の要旨を収録し、さらに三谷による反省と問題点の整理を載せている。民主化の異なる経験を持ち寄り、移転・借用可能なモジュールを見いだそうとする計画であるが、それぞれの社会の歴史的背景を共有すること自体、至難の業であり、加えて、例えば「公共圏」といった基本語に関しても各国語やディシプリンの間で理解が異なるため、コミュニケーションは容易ではない。しかし、メンバーは強い熱意を持っており、こうした障害を克服し、国際的な公共圏を創ること自体がプロジェクトの狙いなので、第二年度にいずれも大きな期待を寄せている。開始後間もないため、メンバーによる論文はまだ公表されていないが、ホーム・ページを見れば、具体的で実りある議論が始まっていることを理解していただけるだろう。
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