研究課題/領域番号 |
12620076
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三谷 博 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50114666)
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研究分担者 |
並木 頼寿 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (80155986)
黒住 真 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (00153411)
季 衛東 神戸大学, 法学部, 教授 (70224889)
岩月 純一 一橋大学, 大学院・言語社会研究科, 専任講師 (80313162)
村田 雄二郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (70190923)
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キーワード | 公論 / 公儀 / 民主化 / 東アジア / 中国 / 韓国 / 日本 / ヴェトナム |
研究概要 |
今年度は、3箇年計画の2年目で、今までの議論を深めるとともに、3年目の終了時に予定する論文集の刊行への準備も始めた。メンバーが発表した論文はまだ少ないが、研究統括者の三谷が開いているホームページで公開しているように、かなりの成果が挙がっている(http://ask.c.u-tokyo.ac.jp/~hmitani/)。 7月22日に開いた、第4回研究会では、メンバーの金容積が「韓国における近代的公共領域の起源と展開」、ゲストの東島誠が「交通の自由、思想の運輸」と題する報告を行い、韓国と日本の公論システム形成について、比較しつつ討議した。11月3日の第5回研究会では、金珪顕(Kyu Hyun Kim)が「明治初期国民公共圏における『政治スキャンダル』の生成と国家理念の確立」、岩月純一が「ヴェトナムにおける公論システム形成の問題点」という報告を行い、さらに三谷博が「日本における公議システムの形成1 幕末と明治初期」と題する発表をして、これまでの議論を集約し、'来年度の論文集作製に向けた、ガイドラインを提示した。 この研究会は当初、東アジア各国における公論形成の比較を狙っていたが、研究会を重ねる中でメンバーの間に自由で率直な議論を行う慣習が生成した。9月下旬、メンバーの季衛東の周旋によって、韓国の張寅性・金容稙と日本の三谷博が、中国の清華大学で開かれたシンポジウム、「文明間の対話-全球化時代における公共性と多元性」に招かれたが、折りから話題となった日本の歴史教科書問題に関する討論に際して、韓国のメンバーが日本の国情を中国の聴衆に説明するに当たり、決定的な役割を果たすことになった。張寅性の言う「国際公共圏」が、予想外の副産物として生成し始めたのである。
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