研究課題/領域番号 |
12620083
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
今里 滋 九州大学, 大学院・法学研究院, 教授 (30168512)
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研究分担者 |
木原 佳奈子 熊本県立大学, 総合管理学部, 助教授 (40234330)
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キーワード | 行政改革 / 自治体経営 / NPM / ニュー・パブリック・マネジメント / アカンタビリティ / バランスシート / 長期戦略計画 / ベンチマーク |
研究概要 |
本年度は比較研究対象国のうち、日本と英国に焦点を絞って研究を行った。日本における自治体行政改革の動向もめまぐるしく、次々と新たな試みが誕生している。そうした試みのうち、本年度とくに重点を置いて研究したのは大分県臼杵市と福島県三春町の事例である。その研究成果は今里滋著「分権化と組織内改革」(『都市問題』2002年4月号)にまとめられている。英国については平成13年8月下旬に現地調査を行った。英国では1978年の保守党政権の登場と軌を一にして、非営利団体が地域環境の再生等、いわゆる地域づくりに活躍するようになった。つまり、行政主導からNPO主導への転換である。そうした非営利団体はときとして「社会起業家」(Social Entrepreneur)と呼ばれ、社会革新(Social Innovation)の担い手として高く評価されている。これは、政府セクターと社会セクターの関係そのもののパラダイム転換といってもよい、根幹的な行政改革であろう。今回の英国訪問にあたっては、そうした地域づくり団体のセンターであるロンドンのCAN(Community Action Network Centre)を訪ねて、事務局長のブレイショー氏から英国における地域づくりNPOの現状についての概括的な説明を受けたのを皮切りに、ベンガル系移民が多く住むブロンリー・バイ・ボー地区の地域再生プロジェクトの現地調査を行って、都市系地域づくりNPOの活動実態を研究し、また、ウエールズのブラックウッドで活動するグランドワークを訪問し、ボタ山再生プロジェクトについて詳細な調査を行った。この調査では、活動を担っている個々の職員にもインタビューを行い、彼らの経歴、ミッション、今後の活動の展望についても意見を聴いた。最期に、スコットランドのグラスゴー市役所を訪れ、スコットランドの分権と独立後の、市の行政改革と地域再生政策についてヒアリングを行い、多くの成果を得た。
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