研究概要 |
本研究は、明治維新以後の近代日本の国際関係を根底において規定したと考えられる国際関係の基本的概念が、当時、用語としてどのように用いられ、どのように変遷していったかを、概念史研究(Begriffsgeschichte)の方法によって明らかにする目的で、平成12年度から始まったものである。 まず、Melvin Richter,The HiStory of Political and Social Concepts : A Critical Introduction, Oxford University Press,1995を読書会形式で読みあい、また、ドイツ概念史研究グループによるGeshichtlicheGrundbegriffe,およびHandbuch politisch-sozialer Grundbegriffe in Frankreich,1680-1820を適宜参照しあうことによって、概念史研究の方法の共通理解を深めた。その結果として、「国際社会」(担当-平野)、「市場」(古田)、「万国公法」(金)、「自治」(黄)、「文化」(川村)、「主権」(研究協力者・藤田)、「人権」(研究協力者・須藤)という7つの用語・概念を研究対象とすることが適当であることを確認し、それぞれに具体的な研究に着手した。また、韓国のみならず、中国・台湾にも類似の研究が進行中であることを知り、その研究方法・内容を参照することに努めた。 次年度は、それぞれの概念の研究を進め、研究会によって成果を交換しつつ、近代日本における国際関係概念の変遷の全体的な特徴の把握に努める計画である。
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