研究課題/領域番号 |
12620102
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
重森 臣広 立命館大学, 政策科学部, 教授 (50235529)
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研究分担者 |
勝村 誠 立命館大学, 政策科学部, 助教授 (80319491)
森 隆知 立命館大学, 政策科学部, 助教授 (10268146)
村山 皓 立命館大学, 政策科学部, 教授 (50230016)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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キーワード | 地方行政 / 文化政策 / 情報化 / 社会行政 |
研究概要 |
本研究の目的は、近代化に伴う行政の変容の諸相を、学際的な方法によって明らかにすることにある。今日的な政策課題に一つである地方分権化の今後の展開方向を、主として文化行政施策の史的動態の分析、事例研究、情報化施策との交錯に焦点をすえて探求することで、行政評価の新たな枠組みについての考察を行なった。 本研究は大きく二つの部分からなっている。一つは、住民意識の動態を明らかにする経験的および理論的な研究である。いま一つは、近現代を貫く行政変容の胎動に関する史的な研究である。 住民意識の動態を経験的に明らかにするために、本研究では(1)「井手町の地域文化の振興とまちづくりについてのアンケート調査」(2003年)の実施と分析、(2)「琵琶湖博物館についての滋賀県民アンケート調査」(2000年調査そのもの滋賛県立琵琶湖博物館からの受託研究)の分析を行ない、個々の行政施策についての住民の満足度と行政計画のギャップ、文化施策としての文化施設を評価するさいの指標として経済効果のみならず、社会的効果の視点が重要であることを明らかにした。あわせて、情報インフラストラクチャーが文化行政への住民の動員に及ぼす効果についての考察を行なった。 この研究の今ひとつの柱である行政の文化化の胎動期についての歴史的研究においては、行政の近代化とともに、国民統合、国民文化の社会的浸透の観点から文化行政の展開が開始される経緯を明らかにした。ここでの研究素材は、世紀転換期のイギリスであり、(1)世紀転換期における博物館の変容を通じた労働階級の啓蒙、(2)労働階級の文化的洗練への視線形成のプロセスを明らかにした。このような、労働階級の文化的洗練への視線形成は、いわゆる社会行政の確立と展開へと連鎖していったが、本研究では、この動向をもっとも明確に示す歴史資料として英国社会科学振興協会の年次報告のオンライン索引の作成を行なった。
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