研究課題/領域番号 |
12630004
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
野村 芳正 千葉大学, 法経学部, 教授 (00218372)
|
研究分担者 |
田村 高幸 千葉大学, 大学院・社会文化科学研究科, 助手 (30302582)
天野 昌功 千葉大学, 法経学部, 教授 (80092617)
武蔵 武彦 千葉大学, 法経学部, 教授 (40054514)
|
キーワード | 条件付き財 / ローブ測度 / 交渉集合 / 競争均衡 / 広範囲市場の成立 / 戦略的産業政策 / 効率的銀行組織形態 / 金融政策の有効性 |
研究概要 |
最近の市場は、次の意味でその「範囲(scope)」が拡大してきている:(1)条件付き財の「条件(contingency)」の多様化(異時点間計画の計画期間の長期化、より広汎なリスクの新金融派生商品による市場化、イノヴェーションによる差別化された新製品の開発、グローバル化による地理的広域化)、(2)企業の多角経営化(持株会社による異業種の提携、金融ビッグ・バンによる異種金融形態の相互乗入れ)、(3)かつては公共財であった財の市場への包摂(金融破綻・失業・介護といったリスクの保険化、収穫逓増的技術を特徴とする政府独占の分割・民営化、効率性評価に基づく公共財の供給)。 上記の広範囲化した市場を、交渉集合(bargaining set)解の競争均衡への(拡大)収束性に基づく広範囲市場の成立の一般均衡分析、戦略的産業政策、及び金融の技術革新の3側面に関して解明すると共に、総合評価を行なう。 1.基礎理論:広範囲化した市場の内生的発生を競争均衡と交渉集合との比較により厚生分析するために、超準解析に基づくLoeb測度上で「大規模自乗経済」を定式化すると共に、バナック空間を値域とする多価関数の積分値の平均凸性、上半連続性、及び不動点定理といった関数解析的特性を解明。 2.産業政策:広範囲化する市場のなかでの産業政策立案の主導者としての政府の役割を分析。さらに、政府主導の戦略的産業政策と規制緩和の実際を、日米経済摩擦の顕在化以来について検証。 3.金融政策・組織:金融ビッグバン、金融の技術革新の進行に伴う銀行業の効率的組織形態と金融政策の有効性を理論・実証分析。加えて、日・米・欧(特に、英)間の国際比較。
|