研究概要 |
I.今年度においては、以下のデータを用いて実証分析を行った。 1.データソース;(1)標本企業の財務データに関しては、政策投資銀行(旧日本開発銀行)の「企業財務データバンク」を、(2)金融機関との取引状況(融資比率、持株比率、役員派遣の状況)に関しては、東洋経済新報社「企業系列総覧」を用いた。2.対象業種;機械産業等の重化学工業に属する企業である。 3.取得データの種類;(1)企業の財務データ(分析に用いるもの)に関しては、設備投資額(有形固定資産残高等)、資本ストック(有形固定資産残高)、借入残高(銀行借入、社債残高等)、内部資金関連(純利益、減価償却計上額等)、資本の限界効率関連(資産合計、営業利益)、資本コスト関連(有担保コール・レート翌日物)、直接調達ダミー(社債発行市場へのアクセス)、純資産額(資産合計)、自己資本比率関連(資本合計、資産合計)、純資産倍率関連(資本合計、資本金)、使用総資本事業利益率関連(営業利益、受取利息・割引料等)及びinterest coverage ratio関連(営業利益、受取利息・割引料等)である。(2)メインバンク・ダミーに関しては、金融機関との取引状況データに関係するものとして、融資首位行の融資シェア、融資首位行の株式保有シェア及び融資首位行からの役員派遣数を収集した。4.データ取得期間と対象企業数は、全体で、財務データに関しては、1956〜1998年度で470社、金融機関との取引状況データに関しては、年次、データの種類によって違いがあり、最小で1958年の68件、最大で1974年以降の期間の470件である。これらをパネル化した結果、全サンプル数は、13,318に上った。 II.実証分析のモデルに関しては、内部資金制約の緩和に関するメインバンクの機能について検証した。
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