平成12年度は九州大学での「経済数理ワークショップ」を基礎として研究を進めた。とくに、藤田康範氏(慶応義塾大学)、西森晃(愛知大学)、渡部彰氏(神奈川大学)などに報告をいただいた。細江は「契約法の取引分析」を進め、論文の刊行を行なった。「環境規制の分析」に関しては排出権取引に関する論文をまとめた。また、太田は「消費者法制のシステム分析」をおこない、その一部を単行本として所収した。三浦は垂直的取引と独占禁止法についての資料を収集し、そのパイロットモデルを考案中である。堀は現在、ペンシルヴェニア大学に留学中であり、産業組織と規制に関する研究の途上にある。また、加賀見は民事訴訟における証明責任についての論文を作成した。これらの研究の一部は4月に細江・太田編『法の経済分析』(勁草書房)として刊行される。2月には「環境経済学セミナー」をおこない、藤田は「環境規制と国際ルールの可能性」について報告した。3月には九州大学において「経済取引、法、規制」のセミナーを開催し、太田、加賀見、に加えて飯島裕胤(名古屋商科大学)、水野敬三氏(関西学院大学)などの参加のもとに相互の研究テーマについて議論を深めた。また、3月には公正取引委員会福岡支局において「競争制限と独占禁止法」のテーマで細江と三浦は報告した。また、この間、必要な文献、雑誌などの入手に努めた。
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