研究概要 |
環境汚染の多部門・国際連関を捉えるため、日本と関連の深い中国及び日本の環境指標の部門別推計を行うと共に、それを用いての部門別・地域別環境保全政策についての考察をおこなった。具体的には以下の通りである。 1.中国における化石エネルギー消費に伴うCO2、SO2の排出量を1985〜96の12年間にわたり、21の部門別に推計し、排出動向を分析すると共に、CO2、SO2の排出と経済成長との関連、排出原単位の要因分析、主成分分析を行った。 2.中国における地域別、部門別のCO2,NOx排出量を推計し、各省の大気汚染排出総量、1人当たり排出量、GDPあたり排出量、面積あたり排出量などを通じて大気汚染物質の地域性を明らかにした。次に要因分析の手法によりこの地域性が生じた原因を検討した。 3.中国におけるCO2,SO2,NOxの排出量を1995〜1999年にかけて省別、部門別に推計し環境汚染の地域性を明らかにすると共に、要因分析を用いて地域性の生ずる原因、地域ごとの排出変化の要因を明らかにすると共に、地域別汚染構造のパターン分類を行った。 4.日本で排出されるCO2,メタン、代替フロンが引き起こす地球温暖化、特定フロンやハロンが引き起こすオゾン層の破壊の地球環境に及ぼす影響、日本の木材輸入が資源枯渇に及ぼす影響を貨幣評価して日本の環境・経済勘定を補完した。 5.中国において輸出指向的私企業の目的は環境保護目的と整合的でない。環境考慮を企業戦略に組み入れるために、企業がよりよい環境パーフォマンスや環境効率性への促進を図るために企業操業の環境への影響の査定を可能とする指標の開発と、その指標とグリーン調達戦略メカニズムの関係の分析を行った。
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