研究課題/領域番号 |
12630063
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研究機関 | 神戸商科大学 |
研究代表者 |
加藤 恵正 神戸商科大学, 商経学部, 教授 (80161131)
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研究分担者 |
井内 善臣 神戸商科大学, 商経学部, 助教授 (10094525)
野津 隆志 神戸商科大学, 商経学部, 教授 (40218334)
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キーワード | 地域交換交易システム / コミュニティ / 地域経済 / ボランティア / エコマネー / 市場取引 |
研究概要 |
本年は、地域交換交易システムに関連する既往研究の展望と理論研究を進めている。地域交換交易システムに関する研究は、英国における若干の蓄積があるだけで、研究分野としては萌芽段階にある。そこで、既往コミュニティ論の系譜を展望したうえで、転換期にある現下の地域経済を支える新たなコミュニティ構築の視点を明確にする。実際には、LETS研究の専門家との研究会を開催し、LETSのあり方や日本や海外におけるLETSの実態についての情報収集を行った。わが国においては、現在、「クリン」「ZUKA」「らく」といったボランティア型ともいうべきエコマネーと、「おうみ」「ピーナッツ」「アスタ券」といった市場取引を基軸とする地域通貨の2つのタイプが存在している。いずれも現在実験的な状況から出ていないが、本研究チームはこれらの現場と連動しつつ研究を進めている。地域交換交易システムに関する理論研究は、現時点でほとんどないといってよいが、豊田尚吾氏(大阪ガスエネルギー文化研究所)による分析はに先駆的である。氏との意見交換等を行いながら研究を進めている。 現在、地域交換交易システムは、英国などのヨーロッパ諸国、米国・カナダの北米において1,000余の事例が報告されている。また、タイなど発展途上国においても類似の仕組みが報告されている。本研究では、インターネット等を通じて得られる情報をもとに、地域交換交易システムの全体像を検討してきた。 わが国においては、草津、横浜などにおいて先行的に実験が行われている。神戸では被災地復興の過程で、商店街復興と地域コミュニティ再生を連動する仕組みも提案されており、来年度の詳細調査に向け現場との調整を進めている。
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