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2003 年度 実績報告書

開業の決定要因・効果と支援策に関する実証分析

研究課題

研究課題/領域番号 12630064
研究機関北星学園大学

研究代表者

増田 辰良  北星学園大学, 経済学部, 教授 (70190361)

キーワード潜在的起業家 / 女性労働者 / 開業支援プログラム / プッシュ仮説 / 自営業
研究概要

今年度は、わが国の潜在的起業家の地域分布を決める経済的要因について実証分析した。自営業者(開業者とも呼ぶ)の地域間分布を決める経済的要因を検証した既存の研究例は比較的多くある。しかし、自営業者になる希望をもっている者やそのための準備をしている者(これを潜在的起業家と呼ぶ)に関する研究例は極めて少ない。自営業者の減少が問題視される前にこうした潜在的起業家の存在の有無が問われなければならない。今年度は、47都道府県における潜在的起業家の密度を決める経済的要因について実証分析(OLS)した。
その結果、以下のような結論を得た。地域におけるマクロ経済変数である所得の増加している地域、失業率の高い地域では、潜在的起業家の密度も高かった。検定の有意性から判断すると、プッシュ仮説が妥当することが確認できた。女性労働者数と潜在的起業家の密度との間にも正の相関関係があった。このことはわが国の女性も起業家になることに大きなリスクをはらう用意ができていることを示唆していた。ベンチャービジネスの集積度、サービス業従事者の集積度、大学卒業者数の集積度、技術職・エンジニアの集積度などが高い地域では潜在的起業家の密度と正の有意な相関関係が得られた。これは多くの既存の研究成果と一致している。一方、地方自治体による金融支援や経営指導の有無と潜在的起業家の密度との間には有意な関係は確認できなかった。とりわけ開業準備をしている潜在的起業家にとって、その有意性はさらに弱かった。このことから地方自治体が実施している多くの開業支援プログラムの内容を精査し、クライアントにとって有用なプログラムを提供すべきであるという政策提言もできる。
なお、今年度は研究計画の最終年度でもあり、研究成果をまとめる作業に多くの時間を要した。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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