研究概要 |
(a)平成12年度は主に韓国、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、日本について公表データの収集を行い、データ・ベースを作成した。また、当該テーマに関する既存研究のサーベイも行った。このサーベイの結果は"A Brief Survey on Regional Convergence in East Asian Economies, "Musashi University Working Paper Series. No.5, June 2001として発表された。 (b)平成13年度は更に補完的なデータ収集を行い、データー・ベースを完成させた(インドネシアは地域の境界がたびたび変更になっているため分析対象から除外した)。そして、収集したデータをもとに暫定的な分析を行った。そのうち、日本の地域生産性格差推移に関する分析は"Productivity Convergence in Japan's Manufacturing Industries"としてEconomics Letters(North-Holland刊)2002年3月号に掲載された。また、マレーシアの産業集積効果に関する分析は"Agglomeration Effects vs.Policy Effects : The Case of the Electronics Industry in Malaysia"(蟻川靖浩氏との共著)としてAsian Economic Journal(Oxford刊)2002年9月号に掲載された。 (c)平成14年度は上記データ・ベースを用いてMarkov Transition Matrixを使い、地域所得収束仮説を検証した。その結果、上記全ての国(韓国1988-1996年を除く)で地域所得収束仮説は否定された。また、地域所得の拡大メカニズムを更に詳しく検証するために、個別産業(具体的にはマレーシアのプラスチック産業)を題材にフィールド調査を2回いった。これら2つの分析・研究の成果は"Emergence and Development of the Malaysian Plastic Injection Industry,"Musashi University Discussion Paper, No.34, July 2003および"Regional Divergence in East Asian Countries : The Case of Korea, Malaysia, Thailand, and the Philippines,"Musashi University Discussion Paper, No.35, July 2003.として発表され、現在国際学術雑誌に投稿中である。
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