研究期間最終年度における研究実績は以下の如くである。 近世における蚕種取引関係史料は、2003年時点で長野県上田市上塩尻周辺に残された文書資料が裁量の者であることが最終的に確認できた。蚕種仕入れ市場としての奥州二本松、販売市場としての上州結城等では、中小養蚕農家や中小蚕種商人の経営史料等はほとんど残存しないか閲覧可能な状況にないことが関係者からの情報提供で明らかとなった(今後の史料発見がまたれる)。したがって、本年後半は上田関連の最終資料調査と史料確認を専門家(田島昇)の助言を得ながら実施し、佐藤嘉三郎家・原与金吾家の二家の文書史料を検討しながらその取引構造の分析をおこなった。その一部は英文論説(Silkworm Egg Trading and the Village in Early Modern Japan)として公にした。
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