研究課題/領域番号 |
12630104
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
堀江 康煕 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (80209288)
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研究分担者 |
川向 肇 神戸商科大学, 商経学部, 助教授 (30234123)
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キーワード | メッシュ・データ / 営業地盤 / 経済環境 / 収益力 / 競合金融機関 / 地域性 / 合併・被合併 / 規模の経済性 |
研究概要 |
本研究では、総務庁を中心に整備されてきた指定統計の地域メッシュ統計を利用した。そして、日本全土を格子状の狭い空間領域に分割し、各々の格子内に存在する企業数等の経済情報を重ねて、当該金融機関特に信用金庫の置かれている経済環境について分析した。即ち、各信金の店舗が配置されている地点の周辺の企業数を集計しそれらを合計することによって各信金の営業地盤の優劣を決めるといった方法である。こうした方法によって、例えば都道府県の単位面積あたりの店舗数を代理指標とした従来の分析の粗さを回避することが出来る。 分析の結果、大都市圏をはじめとする営業地盤のタイプによって、資本金規模でみた「主たる取引企業」グループが異なり、それは営業地盤の豊かさが後退するにつれて対象となる企業の資本金も総じて小さくなっていくといった特徴がみられた。また、競合先についても、営業地盤の豊かさの後退とともに、より下位業態の金融機関との競合が強まっていくといった結論が得られる。 次に、信金同士の合併に関する分析では、90年代末の合併においては不良債権や自己資本比率の面で合併側と被合併側とでは優位な格差は存在しなかった。これが2000年代以後になると、両者の間では営業地盤に関する格差は小さい反面、不良債権に関する格差が大きくなっているといった結果が得られる。このことは、合併が行われた後の店舗配置の見直しをはじめとする経費の効率的な使用・節約が、その後の経営展開に極めて重要であることを物語っているといえる。
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