本年度は現地での追加的資料収集を含め、当該研究テーマに関わる資料・文献の収集とその精読、成果のとりまとめに向けての準備等を行った。 (1)昨年度調査を補完するための現地での資料収集を、2001年8月21〜9月2日に行った。ここでは主として行政簡素化自治体共同機構(KGSt)の調査報告書、ドイツ各自治体での行政改革の進展状況に関する資料・統計類を収集した。 (2)昨年度から本年度にかけて収集した資料・文献の精読を行い、ドイツ自治体における行財政改革の進展状況の把握につとめた。またこの間、各自治体レベルの動きを受け、連邦政府や州政府において、改革のための制度整備・法改正・調整作業が進展してきている状況がある。これらの動向を整理することにも重点を置いた。 (3)本年度は特に、自治体における会計制度改革の動向に重点を置いて研究を進めた。KGStおよびシュパイヤー行政大学院を中心に作成された新会計モデルが多くの自治体で試行に移されている状況に鑑み、これらの会計モデルの検討と、「新制御モデル」改革におけるその役割についての考察を進めた。 (4)ドイツ自治体の全般的な改革の進展状況については、ドイツ都市会議によるアンケート調査結果が参考となった。ただしその際、行政改革が必ずしも財政状態の改善に直結していないという結果が出ており、今後中長期的な財政分析が必要になると思われた。 (5)上記の研究成果の一部を、別記論文の他、日本財政学会第58回大会(2001年10月、於関西学院大学)での口頭報告「ドイツ自治体の予算・会計制度改革」としても公表した。
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