本年度は、「沖縄県内企業のTQM実態について企業訪問による面接調査を行い、導入・展開の現状とその推進の難しさの要因を究明、分析する」ことをめざし、まずTQM導入・展開の現状とその推進について、従来のやりかたについての整理を行った。 ひとつは実際にTQM展開が成功した企業の調査を行い、TQMが成功している面とその要因について聞いた。更に、TQMを実施している企業で現実の障害、問題についてトップマネジメントのリーダーシップ、役員層のコミットメント、管理職の課題・問題解決能力の観点から調査した。これについては沖縄石油精製株式会社、金秀アルミ工業株式会社でのTQM推進過程についてのデータ収集を始めている。 もう一つは、TQM推進を経営学的見地から整理することを行った。具体的にはシャインの『組織文化とリーダーシップ』に述べられている見解をもとに、これとの比較研究を行うことで、TQM導入過程についてある程度の組織文化論としての位置づけが行えると考えられた。今回は文化の出現過程についての検討を行った。その結果、ある程度の対応関係を考えることができ、導入推進方法について、ある程度の指針が得られると考えられる。 これらの結果をもとにさらに県外のTQM展開が成功した企業の調査を行い、また現在のTQM実施上の障害、問題を聞き取り調査した。訪問した企業はデ賞受賞しているコニカ社とジーシー社である。その結果、導入方法について従来の県内企業との違いなども散見され、今後の県内他企業にTQMを導入する際の方法に改善を加える可能性を得ることができた。これらの調査結果をさらに詳しく検討する計画である。
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