沖縄県内企業のTQM導入が比較的うまくいった企業と、うまくいかなかった企業についての聞き取り調査などをもとに、TQM導入について検討を行なった。TQM導入について経営トップの先見性や経営環境に対する認識が重要である。経営管理者としてのマネジメントすることの責任感に大きな違いがある。TQM導入で躓く企業や推進が捗らない企業はトップに問題がある。また、TQM推進担当者の能力、忍耐力、人間性(人柄)にTQM導入の成否は大きく依存する。 企業業績や成果の新たな評価方法として会計学的な面からの可能性を調査し、キャシュフロー計算書、利速会計などについて考察を深め、その成果を発表した。(志村・石川(2001)「複式簿記システムについて」『琉球大学経済研究』第62号、P.21-32) さらにTQM活動をしてゆく上での阻害要因を考えるうえで、組織学習的観点を取り入れるべく、組織学習の研究者を招聘し、経営組織論の発展について研究状況を調査した。また、アメリカのMB賞に対応して作成された日本経営品質賞に関連して、最近の状況を調査するため経営品質学会の初代会長に就任された土屋守章東京経済大学教授(東京大学名誉教授)を招聘し、日本経営品質賞の現状についての調査を行ない、デミング賞との違いを検討した。
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