今年も昨年に引き続き、米国に関するTQM調査を行いTQMと事業経営について比較を行った。 またTQMの改善活動に関して社会学習動学(Social Learning Dynamics)モデルを活用して組織動態についての理論的検討を行ったものをまとめ、春季経営情報学会において「TQMにおける改善活動導入過程の社会学習動学モデルについて」として発表を行った。改善活動が組織に行き渡った状態を1とし、導入前の状態を0として、0から1への変化を扱う力学系のモデルとして定式化し検討を行ったものである。 さらにTQM活動を組織文化論の観点から考察を行ったものを「TQM活動と組織文化についての予備的考察」としてまとめた。解析の対象としたのは、TQM活動導入期において、TQM専門家による指導のもとに行われるケースであり、その中でも特に改善活動を中心に考えた。そして管理職による改善活動経過報告とそれに対する経営者、管理者との討論、及びTQM専門家による講評などを行う場を通して、各社にあった改善活動、TQM活動を構築してゆく過程を解析の対象とするものである。そして、この場を通して、TQM文化と呼ぶようなものが出現すると仮定し、その過程を記述することを試みた。 最後に4年間の成果を研究成果報告書としてまとめる。
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