過去2年間に引き続き、東証一部上場企業のうち、ノンバンクの企業戦略と組織変革に関するデータベース化を1995年から2002年の期間について、これまでに作業が終了しなかった部分を対象に行った。 その上で、米国およびドイツで構築されたデータベースも利用して、アジア経済危機後のヨーロッパ、日本およびアメリカの企業によるマーケティング活動の変化を「開発」と「活用」の2つに分類し、いずれの国における企業も開発よりも活用タイプの変革が圧倒的に多きことを示した。さらに、その国独特の資本主義形態が制約システムとして機能しるために、アジア危機後のマーケティング活動の変革についても、ヨーロッパ、日本および米国の企業ではタイプや方向性に違いがあることが示された。 また、データベースで集められた日本のノンバンクと比較するために、アドバンタ、コンセコ・ファイナンス、ファースト・フランクリン・フィナンシャル、ファクチュアル・データ、ファースト・データ、コンコルドEFSといった米国の金融サービス会社について、アニュアル・リポートなどの二次資料に基づいて詳細なケーススタディを行った。 以上の研究成果の一部については、2002年5月に台湾・明新技術学院で開催された金融サービス・シンポジウム、ならびに2003年2月にフロリダ州オーランドで開催されたAmerican Marketing Associationのカンファレンスで報告された。また、2003年6月にアイルランドのダブリンで開催されるEuropean ACR Conferenceにおいても報告される。
|