研究概要 |
「環境管理会計:製品開発マネジメントの新たな視点」では、原価企画と環境配慮型製品開発DfE(Design for Environment)に関する文献レビューを行い、両者を統合する視点であるライフサイクル・マネジメントのありかたを検討した。「環境に配慮した製品開発に関する実態調査:集計結果の概要」は、東証一部上場の一部製造業(機械、輸送用機器、電気機器、精密機器)353社を対象にした実態調査(回答企業数は、116社、回収率:32.9%)の集計し、わが国企業における環境に配慮した製品開発の実施状況を明らかにしている。この調査に基づくデータ解析はこれから本格的に実施する予定であり、平成15年度中に、2,3回の学会報告を行い、学会誌(レフリー制雑誌)への投稿を予定している。『ケースブック コストマネジメント』は、企業のコストマネジメント実践事例を取りまとめたものであるが、この中に環境配慮型製品開発マネジメントに関連するコストマネジメントの全体像が示されている。環境配置型の戦略プロフィットマネジメントを支援するためには、多様な検討が必要であるが、この研究では、そのうちでもとりわけ重要である品質管理の新たな取り組みであるシックスシグマ(「シックスシグマ:管理会計への教訓」)、組織間管理会計(「サプライチェーン・マネジメント:組織間コストマネジメントの視点」)、バランス・スコアカード(「管理会計における非財務情報の活用」)の二つの領域の問題を検討した。 環境に配慮した製品開発は、いまや、あらゆる企業にとって注目すべき事柄であるが、その取り組みはまだ萌芽期にあり、研究テーマのみならず、研究方法についてもまだ模索を続けている。このようななかで、本研究での研究成果は、今後のこの領域における研究の基盤を提供するものと思われる。 なお、シュレッダーダストの処理問題に関する論文「シュレッダーダストと環境管理会計」は、2001年1月に日本原価計算計算学会において報告を行い、論文も完成したが、調査企業から公表を差し控えるよう指示があったため、公表を見合わせた。
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