本年度は、4年計画の最初の年であり、グローバル管理会計論、国際経営論に関する内外の文献(著書、論文、資料)の収集とその分析を始めている。 本研究の中心的なテーマである、「アジア地域へのケーススタディ」による実証研究としては、今年は電機産業を中心に、シンガポール、マレーシア、タイ王国、中華民国(台湾)、中華人民共和国(香港)に進出している日系企業への面接調査と関連する資料収集を中心に、交付申請書に記したような内容の計画を実施した。 具体的には、マレーシアの日系企業3社、タイの日系企業2社、シンガポールの日系企業(地域統括会社+販売会社)1社、中華民国の日系企業3社と現地企業1社への調査票をもとにした管理会計の国際移転についての面接調査と工場見学などを行った。また同時に、マレーシアでMSCの中核をなすマルティメヂア大学、台湾では中正大学では大学院生に日本的管理会計についての講演、紹介を行い、、中華人民共和国では香港バプティスト大学でのセミナーで、在外日系企業の管理会計の特徴について報告、討論を行うと同時に、台湾の管理会計学者と情報の交換を行った。 以上の今年度の研究により、これまでの欧米諸国の日系企業の管理会計との比較により、そのアジア的な特徴がみられるようである。現在収集した関係する資料を整理、分析を鋭意行っている。同時に来年度の面接調査のための準備を進めている。
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