研究課題/領域番号 |
12630162
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研究機関 | 東邦学園大学 |
研究代表者 |
後 千代 東邦学園大学, 経営学部, 助教授 (50269669)
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研究分担者 |
後 房雄 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20151855)
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キーワード | 監査機関 / 大統領制 / 議員内閣制 / オンブズマン制度 / GAO / パフォーマンス監査 / 行政評価 / 予算編成 |
研究概要 |
これまでの2回の海外調査や国内調査を通じて、それぞれの議会関係者、監査機関関係者、研究者などへのヒアリングを積み重ねてきた。また、現地調査とインターネットなどによる関連資料、文献などの収集にも努めてきた。 これらすべての検討は終えていないが、これまでの中間的な検討によって、いくつかの重要論点が浮かび上がりつつある。 その一つは、議会と監査機関との関係を分析するうえでは、それぞれの政府形態の違いを考慮することが決定的に重要だということである。とりわけ、監査機関として先進的なモデルと目されるアメリカの会計検査院(GAO)は、大統領制の政府形態における議会に付属する機関であり、議院内閣制をとる日本やイギリスにおける会計検査院と単純に比較することはできない。また、地方自治体においては、日本も中央政府とは異なる大統領制をとっており、アメリカに至っては、市支配人制なども含めてきわめて多様な政府形態をとっている。また、内外ともに、監査機関とは別にオンブズマン制度を設置している事例が増えており、それらの相互関係も検討すべき問題である。 もう一つの重要論点は、監査の内容が、従来のような合規性監査に加えて、経済性、効率性、有効性なども含むパフォーマンス監査に拡大していることに伴い、監査が行政評価、政策評価と密接に関連するようになっていることが監査機関の政府全体における位置付けの変化をもたらしているという点である。これは、監査結果を次年度の予算編成にいかに連動させていくかという問題の重要性を従来にも増して高めている。 以上のような論点を踏まえて、有効な行政評価の仕組みと、その評価結果を政策や事業の見直しや次年度の予算編成に連動させる仕組みを全体としてどのように編成していくかという大きな課題のなかで議会と監査機関の関係についてさらに検討していく予定である。
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