研究課題/領域番号 |
12640013
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
宮地 淳一 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (50209920)
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研究分担者 |
徳弘 好(北村 好) 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00014811)
蔵野 和彦 東京都立大学, 理学部, 助教授 (90205188)
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キーワード | 導来圏 / 鎖複体 / Picard群 / 導来Picarrd群 / 遺伝多元環 / Grothendieck群 / Chow群 / Frobenius多元環 |
研究概要 |
可換環、代数幾何学で加群の圏、層の圏のauto-equivalencesを導き出すinvertible加群、invertible層の同型類のなす群すなわちPiacrd群を、非可換多元環の導来圏のauto-equivalencesを導き出す双傾斜鎖複体の同型類のなす群に拡張した導来Picard群という導来圏上の不変量としてYekutieliが導入した。 本年度の研究で主な結果は、全ての遺伝多元環の導来Picard群の組み合わせ論的な決定方法を示し、Dynkin、Affine quiversに対し導来Picard群を具体的に決定したことである。多元環の表現論での導来圏上でのAuslander-Reiten triangle、irreducible mapの概念を使い、遺伝多元環の持っている基本的なグラフと、そこからできるk-線形圏のauto-equivalencesによって導来Picard群が表現されることを証明した。これにより、遺伝多元環と導来同値な多元環すなわちpiecewise遺伝多元環の導来Picard群は全て決定することができた。さらに、遺伝多元環の場合、その導来圏のauto-equivalencesは全て双傾斜鎖複体から引き起こされることを示した。その結果、Kontsevich、Rosenbergが導入したn次元非可換射影空間において、連接層の作る導来Picard群が決定することができた。 その他関連する結果として、ネーター局所環とその完備化の間の射によって誘導される有限生成加群のグロタンディェク群の間の射が、最初の環が以下の3条件のどれかを充たせば単射であることを証明した。また、次数環のChow群が、斉次素イデアルと斉次元によって決まることを証明した。また、前年度研究の関連として自己入射的多元環に関して右non-singular環Bの準フロベニウス拡大環Aに対して、Aが右自己入射的ならば、Bは右自己入射的であることを示した。
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