研究概要 |
昨年にひきつづきB型ヘッケ環の有限表現型になるための条件について研究をすすめ最終的な結果を得た。つまり森田同値定理によりパラメータが1×9^f(9=e√<1>≠1)の場合に帰着すれば有限表現型であるための必要十分条件がn<min(e, 2f+4, 2e-2f+4)であることが明らかになった。この系として1992年に阪大の宇野が予想したヘッケ環が有限表現型<=>9がPw(X)=0の単根という予想を古典型の場合に解決することができた。ここでPw(x)はワイル群Wのポアンカレ多項式でヘッケ環はこのワイル群から定まるヘッケ環である。 もう1つのテーマであったhigher levelの9-Schur環の構成については本年度中も手がつかなかった。 しかし前半の部分で述べたように、ヘッケ環の表現型の研究が当初の研究計画時には予想もつかなかった宇野予想の解決に結びついたので、全体としては十分な研究実績をあげたといえよう。
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