ヘッケ環の表現型がいつ有限表現型になるかについては完全に解決することができた。それは古典型の場合にはB型の場合が本質的であり、これは本研究計画年度中に出版した図書で説明している理論にもとずく。(例外型は宮地兵衛氏による。)具体的には、Dipper-Mathesの森田同値定理により2パラメータが1×9^fの形をとるB型ヘッケ環に対して標準基底を計算することにより、分解係数を求め、これにSpecht加群理論、Artin環の表現論をあわせて用いることにより必要十分条件n<min(e.2f+4.2e-2f+4)(ただし9は1の原始e乗根)を得たのである。古典型ヘッケ環の場合はこの定理の系として得られる。 また関連してλ:Kleshchev multipartitionがD^λ≠0の必要十分条件であることを示した論文や、組み合わせ論とクリスタル論文を出版し、また上記著書の英訳も完成させた。この英訳はアメリカ数学会より出版される予定である。
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