研究概要 |
・4次元射影空間内にいったん滑らかな超曲面f=0をとり,R/(f)上の,体κの極小自由分解からできる極大ブックスバウム加群を作る.これからできるR/(f)上の通常のBourbaki sequenceを用いて,integral arithmetically Buchsbaum curveを作って,そのbasic sequenceを見ていくことによりその特徴を調べていく作業をした.これ以前の研究で「integral」という条件をはずした場合のbasic sequenceの可能性は全て分かっている.この,超曲面上で考える方法では,それらを全て尽くして調べあげるということが,おそらくR/(f)上のコーヘンマコーレー極大加群についての充分な情報をそろえていないためであろうがまだ完結していない.そのかわり4次元射影空間内のintegral arithmetically Buchsbaum curveのbasic sequenceの候補の計算例をいろいろ求めた.これからも上記問題点をさらに掘り下げながらこの作業を続けていく予定である. ・3次元射影空間内の曲線を定める斉次イデアルのbasic sequenceから,それに対応するgeneric initial idealのminimal generatorsの候補を計算して求めるためのコンピュータを用いたプログラムが,昨年度研究の副産物としてできた.それを用いて,Cookの条件と,15年ぐらい前までに本研究代表者が求めた3次元射影空間内のintegral curveが満たすべき条件(「第23回可換環論シンポジウム(倉敷,2001年11月)」で公表)との現象的比較をし,それぞれ別個に意味があるし,もしCookの条件が正しければ,互いに補いあう関係になっているということが分かった.
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