研究概要 |
Gaussの超幾何微分方程式の拡張として一般型_<n+1>F_n,Appell型F_1,F_2,F_3,F_4,(k,n)型超幾何微分方程式等がある。本研究では,主にAppellF_2とE(3,6)に対して以下の研究を行った. 1)有限既約なモノドロミー群をもつAppellF_2を決定した.その条件はF_2がもつ5個のパラメータによって言い表され,本質的に6種類に分類される.そのいずれの場合もモノドロミー群は簡単な可換群とunitary reflection groupとの半直積になっている.そこに現れるreflection groupはShephard-Todd分類表のimprimitiveなG(2,2,4)とprimitiveなNo.28,30,32の群である.No.30の群は2種のモノドロミー群に現れるが,そこでの可換群が異なっている.6種のモノドロミー群のうち5つは4つの1次独立な解の間に2次関係式が存在する.残りの1つ,No.32のunitary groupをふくむモノドロミー群を持つ微分方程式については,その解の間に成立する関係式はまだわかっていない.今後の研究課題の1つである. 2)E(3,6)型微分方程式はC^4上定義されたrank 6の微分方程式と本質的に同じである.それが有限モノドロミー群を持つときにその6つの基本解の間に成立する関係式,さらに一般に基本解の不変式を求めることは今後の課題であるが,そのために微分方程式を単純なPhaffian形式に表した.これにより例えば無限遠での特性指数は直ちにわかる.
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