代数群amodular表現

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 12640034
• 研究機関: 大阪市立大学
• 研究代表者: 兼田 正治 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60204575)
• 研究分担者: 手塚 康誠 琉球大学, 理学部, 教授 (20197784) ; 柳田 伸顕 茨城大学, 教育学部, 教授 (20130768) ; 谷崎 俊之 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70142916) ; 川中 宜明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10028219)
• キーワード: 代数群 / 表現論 / filtration / 正標数 / Lusztig予想 / 無限小群

研究概要

正標数における単純代数群の既約指標の決定は、大方の解決を見たものの、現状では、標数が十分大きい時に分かっているという漠然としたもので、満足の出来る形には尚遠い。
従前、standard modules上のJantzen filtrationが、standard modules間のintertwining homomorphismによって保たれれば、上記既約指標を与えるLusztig予想が従うことが分かっており、Jantzen filtrationの解明に興味が持たれる。最近、Andersenが、standard module上ではなくて、standard moduleからtilting moduleへのhom space上へ、同様のfiltrationを構成したが、"Filtrations on G_1T-modules"では、それを当該の単純代数群のmaximal torus Tのinfinitesimal thickening G_1Tにおいて考えた。経験上、単純代数群そのもので考えるよりは、G_1T上で考える方が、話が簡明になるのであるが、ここでも、tilting modulesは、単に、projective/injective modulesとなり様子がよく分かる。特に、量子群の出現を待って構成されたG_1Tにおけるstandard modules上のJantzen filtrationと、新たにAndersenによって導入された上記hom space上のfiltrationの関係を得ることが出来た。ここで開発された方法を使って、元の代数群上での、Jantzen filtrationとAndersen filtrationの間の関係についての情報も得られる。更に、ここで考えられたfiltrationがtranslation functorについて予想通りの挙動をすれば、Lusztig予想が従うことも分かった。
夏には、代数群と量子群の表現輪に関する大きな国際集会が上智大学で開かれ、就中、初めて、海外からの正標数の専門家が一挙に来日して、親しく議論出来たことは大きな収獲であった。集会の組織委員であった川中教授に当科研費の分担者になって戴き、非常に有意義な支出が出来た。特に、集会後、上海のYe教授とG_2型のflag varietyの正標数におけるD-affinityに関する共同研究をはじめている。

研究成果

• [文献書誌] H.H.Andersen, Kaneda M.: "Filtrations an G_1T-modules"Proc. London Math Soc.. 82. 614-646 (2001)
• [文献書誌] M.Kashiwara, T.Tanisaki: "Przbulic Kazhdan-Lusztig polymomials and Schulet varieties"J. AG.
• [文献書誌] C.Marastoni, T.Tanisaki: "Radon transforms for quasi-equivariant D-modules on generalized flag manifolds"DNA Geom. and its Appl..
• [文献書誌] D.Arlettaz, C.Ausoni, M.Mimura, N.Yagita: "Integral cohomology and Chern classes of the special linear group over the ring of integers"Math. Proc. Cambridge. Phil. Soc.. 131. 445-451 (2001)
• [文献書誌] N.Kudou, N.Yagita: "Note an Homotopy normality and the n-unnleted fiber space"Kyushu J. Math.. 55. 119-129 (2001)
• [文献書誌] N.Kawanaka: "A q-Cauchy identity for Schur functions and imprimitive complex reflection groups"Osaka J. Math.. 38. 775-810 (2001)
• [文献書誌] 谷崎俊之: "リー代数と量子群"共立出版. (2002)