研究概要 |
2000年発表の論文では,表現論の基本的な結果であるKempfのcohomology vanishingを量子群について整数係数のLaurent多項式環上において得た。 Andersenとの共同研究では,正標数におけるB2型のflag variety上のdifferential operator ringのp-filtrationの初項についてcohomology vanishingを得た。これは,正標数におけるflagvarietyのD-affinityに向けての僅かな一歩のつもりであったが,昨夏,柏原とLauritzenにより,一般には当該のD-affinityは成立しないことが示された。関連して,同じく昨夏,Bezrukavnikov, MirkovicとRumyninは、crystalline differential operator ring Dを導入し,GのLie代数のある有限型加群の圏と,D上の対応するcoherent modulesの圏との間にderived equivalenceがあり,更に後者は,対応するSpringer fiber上のcohent sheavesの圏との間にequivalenceがあることを示した。この方法は,正標数内に留まって幾何学的に議論を展開しており,今後の展開が嘱望される。従って,当科研費を使って,Rumyninを大阪市立大学へ招請し親しく議論が出来たことは,非常に有意義であった。Andersenとのもう一つの共同研究では,G1T加群の圏において,standard加群からprojective加群へのhom space上へfiltrationを構成して,Lusztig予想への関係を調べた。 内藤との共同研究では,内藤の一連のtwining character formulasをDemazure modules上で得た。これは,Schubert schemesとそのdesingularizations上でのequivariant cohomologyの応用である。
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