研究概要 |
本年度は,以下の2つの問題について研究を行った。 1.GL_2(F)×GL_3(F)のε-ファクターの計算 昨年度まではGL_n(F)の既約スーパーカスピダル表現のホイタッカーモデルを具体的に計算し、ゼータ関数を定義するホイタッカーモデルの対合積の計算を試みていたが、今年度は局所Langlands対応を用いてガロア群の表現でのε-ファクターの計算に持ち込み、non-Galois base changeを応用して、剰余標数が2,3の場合を含めて全ての規約スーパーカスピダル表現のペアーに対するε-ファクターの計算に成功した。更に、GL_p(F)の一部のスーパーカスピダル表現とGL_2(F)またはGL_3(F)のスーパカスピダル表現のペアーのε-ファクターの計算にまで結果を拡張し、より一般の場合(GL_m(F)×GL_n(F)でm, nが互いに素でm, nがpと互いに素の時)に対する予想を与えた。 2.GL_l(F)の全ての既約スーパーカスピダル表現の指標の計算(lが素数でFの剰余標数が2でないとき) 昨年度、従来のl=3の場合の証明を大幅に簡略化した一般的な証明を見いだし、Bushnell-HenniartのTame Base Changeを利用することによりnon-Galois caseも含めて指標公式を与えたが、Fに1のl乗根を付け加えた体の形に制限が必要な形であったことが分かり、それを修正し一般のFに対して成り立つ公式を与えた。
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