研究概要 |
当該研究課題の研究推進のため,以下のような活動を行った. 1:整数論における岩澤理論,特に現在盛んに研究されている代数体の岩澤理論および楕円曲線の岩澤理論の現状を把握するために国内で開催された各種の研究集会に参加した.これによって岩澤理論の研究の進展が把握できたと共に,国内の多くの研究者と交流し,理論に関する知見を深めることができた. 形式群の岩澤理論は上記の理論をモデルとして構築されるべきものであるから,研究の現在の研究に関する情報は重要である. 2:2000年11月にインドにおいて開催された整数論の国際研究集会に参加し,発表を行なった.発表内容は我々のこれまでの研究に関するものであったが,複数の外国の研究者の興味を喚起できたのは大きな成果であったと考えている. また,参加者の中には岩澤理論の研究者も含まれており,彼らと討論をすることができたことも有益であった. 3:理論の実例を扱うには形式群について多くの計算をする必要がある. そのためにはコンピューターの利用が不可欠であり,そのために最近バージョンアップした数式処理ソフトであるMaple 6を導入した. これによって,手計算ではとても手が出ないような厖大な計算(ベキ級数に関する計算)を実行できる見込みである. このソフトを本格的に活用して実例の計算を蓄積していくことは,次年度以降の課題である.
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