リー群とその類似空間の位相のホモトピー的側面からの研究

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 12640057
• 研究機関: 茨城大学
• 研究代表者: 大嶋 秀明 茨城大学, 理学部, 教授 (70047372)
• 研究分担者: 大塚 富美子 茨城大学, 理学部, 助教授 (90194208) ; 卜部 東介 茨城大学, 理学部, 教授 (70145655) ; 柳田 伸顕 茨城大学, 教育学部, 教授 (20130768) ; 森杉 馨 和歌山大学, 教育学部, 教授 (00031807) ; 竹内 護 茨城大学, 理学部, 講師 (40007761)
• キーワード: H空間 / 回転群SO(4) / ホモトピー / 自己写像 / ホモトピー群 / extraspecial p-群 / Chow環 / Moore空間

研究概要

研究実施計画の役割分担に従って,下記の研究成果を得た.
1.H空間の積には左逆λと右逆ρが付随している.それらは互いに他の逆であり,両者が一致するための必要十分条件はλの位数が2であることである.一般にはλの位数は2ではない.そこでλの位数について論じた.単純リー群に対しては満足すべき結果を得た.成果は論文としてManuscripta Math.に発表した.
2.多くの古典単純群Gの自己写像のホモトピー類群[G, G]は非可換であることを証明した.結果は論文としてTopology and its Applicationsに発表した.
3.回転群SO(4)と直積群S^3 × SO(3)の自己写像のホモトピー類群を完全に決定し,SO(3) × SO(3)の場合はそのベキ零指数を計算した.成果は論文にまとめ,J. Pure Appl. Algebraに掲載予定である.
4.卜部東介は,大学の数学教育にコンピューターを活用する利点,欠点を,幾つかの観点から,実体験に基づき考察した.成果は論文にまとめ,コンピュータ&エデュケーションに発表した.
5.柳田伸顕は,有限群,特に,extraspecial p-groupの分類空間のChow ringをBP理論を用いて調べた.成果は論文にまとめ,Contemp. Math.に発表した.
6.竹内護は,リュビュル数のような代数的数でよく近似される超越数を含む,ある数の組の代数的独立の測度を求めた.これまでに扱われたのは,代数的数でよく近似される超越数を1個含む場合であったが,今回,さような数を複数含む場合にまで議論を進めた.成果は論文にまとめ,Ramanujan J.に発表した.
7.森杉馨は,Hopf写像η_2 : S^3→S^2の懸垂η_n : S^<n+1>→S^nのMoor空間M_n = S^<n-1> U_2e^n への持ち上げη_n ∈π_<n+1>(M_n)のWhitehead積[η_n,η_n]について調べた.成果は論文にまとめ,J. Math. Kyoto Univ.に発表した.

研究成果

• [文献書誌] M.Arkowitz, H.Oshima, J.Strom: "The inverses of an H-space"Manuscripta Math.. 108. 399-408 (2002)
• [文献書誌] H.Oshima: "The group of self homotopy classes of SO(4)"J. Pure Appl. Algebra. (印刷待ち).
• [文献書誌] 卜部東介: "Mathematicaでいろいろな曲線・曲面を描いてみよう!"コンピュータ&エデュケーション. 13. 29-32 (2002)
• [文献書誌] N.Yagita: "Chow ring of classifying spaces of extraspecial p-groups"Contemp. Math.. 293. 397-409 (2002)
• [文献書誌] M.Takeuchi: "Quantitative results on algebraic independence of some numbers with good approximations"Ramanujan J.. 5. 355-368 (2001)
• [文献書誌] K.Morisugi, J.Mukai: "The Whitehead square of a lift of the Hopf map to a mod 2 Moore space"J. Math. Kyoto Univ.. 42. 331-336 (2002)