研究概要 |
3,4年ほど前に行ったKodaira特異点の研究を発展させて、昨年度は2次元特異点のPencil種数(=その特異点の特異点解消を含む代数曲線の退化族の最小種数)に関わる基本的な性質を調べると共に、2次元特異点のKummer型の巡回被覆特異点との関係を調べました。主要な結果は以下の通りです。 [1] Pencil種数と基本種数、幾何種数との比較する不等式を証明した。 [2] 定理「一般の2次元特異点(X,x)について、その分岐を適当に取ると十分高い次数の巡回被覆特異点(Y,y)は、その基本種数がもとの特異点(x,x)のPencil種数に一致するKodaira特異点となる。」を証明した。 [3] 定理「ある種のKulikov特異点(X,x)について、その分岐を適当に取ると巡回被覆特異点(Y,y)は、その基本種数がもとの特異点(x,x)のPencil種数に一致する弱Kodaira特異点となる。」を証明した。 [4] z^n=f(x,y)なる定義式を持つ超曲面2次元特異点と、x,yに関する1次式を与えたときそれらのPencil種数に関する公式を証明した。 [5] 代数曲線の最小退化族から2次変換で新たな退化族を作り、その中の例外集合をつぶして出来る特異点について、いつ弱Kodaira特異点となるかの必要十分条件を調べた。 [6] 以上の内容を2つの研究集会(東北学院大学、東京都立大学)で、研究発表するとともに、現在論文をまとめている。
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